「介護の仕事に興味はあるけれど、何から始めればいい?」
「未経験でも介護職になれる?」
「先に資格を取ったほうがいいのか、まず就職したほうがいいのかわからない」
初めて介護の仕事を考えると、このように迷う方もいるのではないでしょうか。
介護職には、未経験から目指せる仕事があります。
また、介護職になるための道は一つではありません。
資格を取得してから就職する方法もあれば、無資格・未経験から応募できる職場を探し、働きながら資格取得を目指す方法もあります。
大切なのは、最初からすべてを決めることではなく、介護の仕事を知り、自分に合った働き方や資格取得のタイミングを考えることです。
この記事では、介護未経験の方に向けて、介護職になるまでの流れを5つのステップで解説します。
介護職になるには?未経験からでも目指せる
介護の仕事を始めるために、「まず資格を取らなければならない」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、介護の仕事すべてに資格が必要なわけではありません。
介護職になるために必須の学歴はない
介護職として働くために、介護系の大学や専門学校を卒業していなければならないわけではありません。
実際に介護の仕事を始めるルートには、
- 無資格・未経験から介護施設などへ就職する
- 介護職員初任者研修を修了してから就職する
- 働きながら資格取得を目指す
などがあります。
これまで介護とはまったく違う仕事をしてきた方でも、介護職へのキャリアチェンジを検討できます。
無資格・未経験から募集している職場もある
介護施設などでは、無資格・未経験者を対象とした求人もあります。
実際にハローワークでも「未経験・無資格でもOK」とする介護関係の求人を確認できます。求人によっては、入職後の研修や資格取得支援を設けているところもあります。
ただし、「介護職=すべて無資格でできる」という意味ではありません。
仕事内容やサービスによって必要な資格が異なるため、応募する求人の条件を確認することが大切です。
無資格・未経験でできる仕事については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→【介護職は無資格・未経験でも働ける?できる仕事と資格取得のタイミング】
資格を取得してから就職する方法もある
「何も知らない状態で介護現場に入るのが不安」という方は、介護職員初任者研修などで基礎を学んでから仕事を探す方法もあります。
介護について学んだうえで求人を見ることで、「どんな仕事をするのか」「自分にはどのような職場が合いそうか」を考えやすくなることもあります。
未経験から介護職になるまでの5ステップ
未経験から介護職を目指す流れを、大きく5つに分けると次のようになります。
STEP1 介護の仕事内容を知る
↓
STEP2 自分に合った施設・働き方を考える
↓
STEP3 資格を先に取るか考える
↓
STEP4 求人を探して応募する
↓
STEP5 介護職として働き始める
順番に見ていきましょう。
STEP1|まず介護の仕事内容を知る
最初にやっておきたいのが、介護職の仕事内容を知ることです。
「介護=食事や入浴のお手伝い」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、介護の仕事はそれだけではありません。
介護職の主な仕事内容
介護現場では、利用者の状態や勤務する施設などに応じて、さまざまな支援を行います。
たとえば、
- 食事の支援
- 入浴の支援
- 排泄の支援
- 移動・移乗の支援
- 着替えなど身の回りの支援
- レクリエーション
- 生活援助
- 利用者とのコミュニケーション
- 介護記録
- 他職種との情報共有
などがあります。
身体介護だけが介護の仕事ではない
介護では、利用者ができないことをすべて代わりに行うのではなく、その人が持っている力を生かしながら生活を支えることも大切です。
また、利用者との会話や見守り、生活環境を整えることなども介護の一部です。
介護職そのものについて詳しく知りたい方は、まずこちらから読んでみてください。
→【介護職とは?未経験から介護の仕事を目指す人の完全ガイド】
働く施設によって仕事内容が違う
介護職といっても、働く場所は一つではありません。
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護など、さまざまなサービスがあります。
勤務する場所によって利用者の状態や仕事内容、勤務時間なども変わります。
介護職の仕事内容や1日の流れをもっと具体的に知りたい方は、「介護職の仕事内容とは?日勤・夜勤の1日の流れと施設別の違い」も参考にしてください。
STEP2|自分に合った介護施設・働き方を考える
仕事内容を知ったら、次は「どこで働くか」を考えてみましょう。
特別養護老人ホーム
常時介護を必要とする高齢者が生活する施設です。
24時間の生活を支えるため、勤務先によっては早番・日勤・遅番・夜勤などの勤務があります。
有料老人ホーム
高齢者が生活する住まいの一つです。
介護付き有料老人ホームなどでは、食事・入浴・排泄などの日常生活の支援や介護を行います。
デイサービス
利用者が自宅から通い、日中に介護や機能訓練、レクリエーションなどを受けるサービスです。
一般的に入所施設とは勤務の仕方が異なり、夜勤のない求人もあります。
訪問介護
利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助などを行います。
注意したいのが資格です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、訪問介護員になるには介護職員初任者研修課程を修了する必要があると案内されています。
参考:厚生労働省 job tag「訪問介護員/ホームヘルパー」
「介護施設なら無資格から検討できる仕事がある」という情報だけを見て、すべての介護サービスが同じだと考えないようにしましょう。
自分の生活との相性も考える
施設の種類だけでなく、
「夜勤はできるか」
「何時まで働けるか」
「正社員とパートのどちらを希望するか」
「自宅からどのくらいなら通えるか」
なども大切です。
仕事内容だけでなく、自分が続けやすい働き方かどうかも考えてみましょう。
介護施設の違いについては、別の記事で詳しく解説します。
→【介護施設の種類一覧|特養・老健・有料老人ホーム・デイサービスの違い】
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STEP3|資格を取ってから働くか、無資格で就職するか考える
ここは未経験者が迷いやすいポイントです。
結論からいえば、どちらか一方がすべての人にとって正解というわけではありません。
無資格で就職する方法
無資格・未経験者を募集している職場を探し、まず介護現場で働き始める方法です。
この方法には、
- 実際の仕事を経験してから資格取得を考えられる
- 収入を得ながら経験を積める
- 職場の資格取得支援を利用できる場合がある
といった特徴があります。
一方で、初めて聞く専門用語や介護技術に戸惑う可能性もあります。
そのため、求人を見る際には新人教育や研修体制も確認しておきたいところです。
初任者研修を取得してから就職する方法
もう一つは、介護職員初任者研修を修了してから仕事を探す方法です。
介護の基本的な考え方や知識、生活支援技術などを学んでから現場へ進めるため、「まず基礎を学びたい」という方には検討しやすいルートです。
厚生労働省の資料では、介護職員初任者研修は130時間の研修として示されています。
参考:厚生労働省
介護職員初任者研修の概要
介護教育の現場では
当校でも、「資格を取ってから介護の仕事を始めたい」という方が受講されています。
実際に、長年病院関係の職場で働いていた方が介護職員初任者研修を受講し、修了後に訪問介護職員として新しい仕事を始めた例があります。
訪問介護は資格要件があるため、初任者研修の修了が次の仕事につながった一例です。
もちろん、同じ資格を取得すれば同じ仕事に就けることを保証するものではありません。
それでも「どの仕事をしたいか」を考えてから、必要な資格を選ぶことは大切です。
どちらを選ぶか迷ったら
一つの目安として、
早く働き始めたい
→ 無資格・未経験OKの求人を探す
基礎を学んでから働きたい
→ 初任者研修を検討する
訪問介護で働きたい
→ 必要な資格を確認して取得する
と考えると整理しやすくなります。
STEP4|介護職の求人を探す
働き方と資格取得の方針が決まったら、求人を探します。
ここで大切なのは、給与だけで職場を決めないことです。
「未経験OK」「無資格OK」を確認する
未経験の場合は、
- 未経験者歓迎
- 無資格OK
- 新人研修あり
- 資格取得支援あり
などの記載を確認してみましょう。
ただし「未経験OK」と「無資格OK」は同じ意味ではありません。
資格は持っているが実務経験がない人を「未経験」として募集している求人もあるため、応募条件を確認しましょう。
教育・研修体制を確認する
未経験者にとって特に確認しておきたいのが、入職後の教育体制です。
たとえば、
- 新人研修
- OJT
- 先輩職員による指導
- 資格取得支援
- 定期的な面談
などです。
実際にハローワークの介護求人でも、無資格者向けの研修や資格取得支援を設けている募集があります。
制度の有無だけでなく、「実際に利用できる条件」まで確認するとよいでしょう。
勤務条件も確認する
介護の仕事を長く続けるためには、
- 給与
- 勤務時間
- 夜勤の有無
- 年間休日
- 通勤時間
- 雇用形態
- 福利厚生
なども重要です。
「介護の仕事がしたい」という気持ちだけでなく、自分の生活と両立できる職場かどうかも確認しましょう。
STEP5|応募・面接を経て介護職として働き始める
気になる職場が見つかったら、応募・面接へ進みます。
未経験だから伝えられることもある
「介護経験がないから面接で話せることがない」と考える必要はありません。
これまでの仕事や生活の中で経験した、
- 人と接する仕事
- チームで働いた経験
- 家族の介護経験
- 接客経験
- 相手の話を聞く仕事
- 安全確認が必要な仕事
などがあれば、自分の経験を整理してみましょう。
大切なのは経験を無理に介護と結びつけることではなく、なぜ介護の仕事をしたいのかを自分の言葉で説明することです。
面接はこちらから職場を確認する場でもある
面接では採用されることだけを考えず、
「未経験者への研修はどのように行いますか?」
「入職後はどのような仕事から担当しますか?」
「資格取得支援制度は利用できますか?」
などを確認するのもよいでしょう。
自分が安心して働き続けられそうな職場かを見る機会でもあります。
介護職になるために資格は必要?
ここまで読むと、「結局、資格は必要なの?」と思うかもしれません。
答えは、目指す仕事によって異なります。
無資格から始められる介護の仕事もある
介護施設などでは、無資格者を採用している求人があります。
一方で、介護に直接携わる無資格者については「認知症介護基礎研修」にも注意が必要です。
厚生労働省によると、医療・福祉関係の資格を持たず介護に直接携わる職員について、事業者には認知症介護基礎研修を受講させるための措置が求められています。新たに採用された対象者には、採用後1年間の猶予期間があります。
参考:厚生労働省
認知症介護基礎研修の義務づけについて
なお、この研修を修了していないこと自体が「採用できない」という意味ではありません。厚生労働省Q&Aでも、義務付けは雇用要件ではないとされています。
訪問介護では資格が必要
訪問介護員として働きたい場合は話が異なります。
先ほど説明したとおり、厚生労働省のjob tagでは、訪問介護員になるために介護職員初任者研修課程を修了する必要があるとされています。
そのため、
「自分がどんな介護の仕事をしたいのか」
によって、資格を取得するタイミングも変わってきます。
未経験者が最初に検討しやすい「介護職員初任者研修」とは?
介護の資格を調べていると、「介護職員初任者研修」という名前を目にすることが多いでしょう。
介護の基礎を体系的に学ぶ研修
介護職員初任者研修では、
- 介護における尊厳の保持・自立支援
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- こころとからだのしくみ
- 生活支援技術
などを学びます。
参考:厚生労働省「介護職員初任者研修の概要」
厚生労働省のカリキュラムでは、講義・演習を合わせて130時間です。
資格を取ってから働くメリット
介護の基本的な考え方や技術を学んでから就職できることは、未経験者にとって一つの安心材料になります。
また、先ほどの訪問介護のように、初任者研修の修了が必要になる仕事もあります。
一方で、介護施設などへ無資格で就職し、働きながら取得する方法もあります。
「先に取るべき」「後から取るべき」と一律に決めるのではなく、目指す仕事と自分の状況から判断することが大切です。
介護教育の現場から|定年後から新しいキャリアを始めた方も
「今まで介護の仕事をしたことがないから、今からでは遅いのでは?」
当校でも、こうした不安につながる相談があります。
しかし、実際に学び始める方のこれまでの仕事や年齢はさまざまです。
異業種から初任者研修を受講した例
当校では、介護とはまったく異なる職種で長年働き、定年後に介護職員初任者研修を受講した方がいました。
その方は研修修了後、生活指導員として就職し、新しいキャリアをスタートされています。
ここで大切なのは、「初任者研修を取れば生活指導員になれる」ということではありません。生活指導員等の配置要件は施設・サービスや自治体等によって確認が必要です。
この事例からお伝えしたいのは、それまで介護とは違う仕事をしてきた方が、学ぶことをきっかけに新しい仕事へ進んだ例もあるということです。
これまでの経験が無駄になるわけではない
介護職へ転職するからといって、それまで積み重ねてきた経験がゼロになるわけではありません。
接客、営業、事務、医療関係、子育てなど、これまでの経験の中で培ったコミュニケーションや人との関わり方が、介護の仕事を考えるうえで役立つこともあります。
介護職への転職は、これまでの人生をリセットすることではなく、これまでの経験に新しく介護を学び足していくキャリアチェンジと考えることもできます。
年代別|未経験から介護職を目指すときの考え方
介護職を目指す理由は年代によっても異なります。
ただし、「○歳ならこうすべき」と決める必要はありません。
20代・30代から目指す場合
これから長く介護分野で働きたい場合は、将来的な資格取得まで考えてみてもよいでしょう。
初任者研修、実務者研修、介護福祉士など、経験を積みながら段階的に学ぶ道があります。
40代・50代から目指す場合
これまでの仕事経験を生かしながら、新しい分野へキャリアチェンジする方法があります。
収入や勤務時間だけでなく、「今後どのくらい働きたいか」「どんな働き方なら続けられるか」も含めて職場を考えてみましょう。
60代以降から目指す場合
年齢だけで「介護職は無理」と判断する必要はありません。
一方、介護には身体を使う仕事もあるため、自分の体力や希望する勤務時間などを考慮して職場を選ぶことが大切です。
先ほど紹介したように、当校でも定年後に初任者研修を受講し、新しい仕事へ進んだ例があります。
未経験から介護職になるときによくある質問
Q1.介護職は何歳からでも目指せますか?
介護職を目指す際に年齢だけで判断する必要はありません。
ただし、仕事内容や勤務形態は職場によって異なるため、体力、勤務時間、夜勤の有無なども含めて自分に合った求人を探しましょう。
Q2.無資格でも介護職に応募できますか?
無資格者を募集している介護求人もあります。
ただし、すべての介護業務を無資格で行えるわけではありません。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
→【介護職は無資格・未経験でも働ける?できる仕事と資格取得のタイミング】
Q3.初任者研修は取った方がいいですか?
必ず先に取得しなければならないわけではありません。
ただし、介護の基礎を学んでから働きたい方や、訪問介護員を目指す方には重要な選択肢になります。
Q4.介護職になるまでどのくらいかかりますか?
選ぶ方法によって異なります。
無資格・未経験OKの求人へ応募する場合と、初任者研修を修了してから就職活動をする場合では、働き始めるまでの期間が変わります。
「○か月で必ず介護職になれる」と考えず、自分が選ぶルートから考えましょう。
Q5.未経験でも正社員になれますか?
未経験者を正社員として募集している求人もあります。
ただし募集状況は地域や事業所によって異なるため、現在の求人条件を確認しましょう。
Q6.男性でも介護職を目指せますか?
もちろん検討できます。
介護の仕事を性別だけで判断する必要はありません。
仕事内容、働き方、自分の適性などから考えてみましょう。
Q7.将来、介護福祉士になることもできますか?
介護福祉士を目指すこともできます。
代表的な実務経験ルートでは、対象となる施設・事業・職種での実務経験について「従業期間3年以上(1,095日以上)」かつ「従事日数540日以上」を満たし、実務者研修を修了したうえで、介護福祉士国家試験を受験する流れがあります。
受験資格には細かな条件があるため、実際に受験する際は公益財団法人社会福祉振興・試験センターの最新情報を確認してください。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護福祉士国家試験「実務経験+実務者研修」
まとめ|介護職への第一歩は、自分に合った方法から始めよう
未経験から介護職を目指す方法は一つではありません。
STEP1 介護の仕事内容を知る
STEP2 自分に合った施設・働き方を考える
STEP3 資格を先に取るか考える
STEP4 求人を探して応募する
STEP5 介護職として働き始める
無資格・未経験から応募できる職場を探す方法もあれば、初任者研修で介護の基礎を学んでから就職する方法もあります。
大切なのは、「みんながどうしているか」ではなく、自分がどのような介護の仕事をしたいのか、どのような順番なら安心して始められるのかを考えることです。
介護とは違う仕事から転職する方も、定年後に新しい仕事を考える方もいます。
まずは介護の仕事を知るところから、自分に合った一歩を考えてみてください。
あなたの次の一歩
「無資格・未経験から働けるのか詳しく知りたい」
→【介護職は無資格・未経験でも働ける?できる仕事と資格取得のタイミング】
「そもそも介護職がどんな仕事なのか知りたい」
→【介護職とは?未経験から介護の仕事を目指す人の完全ガイド】
「介護施設の違いを知りたい」
→【介護施設の種類一覧|特養・老健・有料老人ホーム・デイサービスの違い】
※00005公開後リンク設定
「介護について基礎から学んでみたい」と思った方へ
介護について基礎から学んでから仕事を始めたい方には、介護職員初任者研修という選択肢があります。
介護について基礎から学んでから仕事を始めたい方には、介護職員初任者研修という選択肢があります。
当校でも、介護未経験や異業種から初任者研修を受講し、新しいキャリアへの一歩を踏み出す方がいます。
